かなめ 髪の毛ビンタ

「ツインテールにビンタされたいよな」
「頭でも打った?」
「真面目そうな表情で心配そうな顔を浮かべられた。なぜだ」
「当たり前でしょ、急に変なこと言いだすんだもん」
「変な……こと?」
「こいつもう手遅れだったわ」
どうやら俺はもう手遅れらしいです、リョウです。
「そんな手遅れな俺の手遅れな願いを叶えてくれませんか」
「自覚症状があるのに自重しない!本物なのねコイツ」
「今日も俺の恋人が俺に対して辛辣だ」
「うっさい!」
「ところで今日はどうして髪を結んでいないのでしょうか」
「アタシだって毎日ツインテールする訳じゃないのよく分かってるでしょ」
「ええ、それはもう。なぜなら俺が色んな髪型をリクエストしているから」
「アンタの勝ち誇ったような顔ってなんか殴りたくなるのよね」
「暴力は良くないですよ?」
「正論すな。で、ツインテールでビンタってどうすればいいの?」
「えっ、やってくれるんですか!?」
「アンタのことだからやってくれるまで言い続けるでしょうから」
「さすがかなめは俺のことよく分かってるなあ」
「そんなお世辞はいいから!」

「ということで下校中の場面から家へとマップが切り替わりました」
「アンタ定期的に虚空に向かって話すの好きね」
「いや、虚空じゃない。かなめには見えないのか、あいつが」
「えっ!?だ、誰……?」
「まあ、誰もいないんですがね」
「ぼうりょく!」
「暴力は良くないですかなめさん」
この恋人は頻繁に暴力を振るってくるので体力ゲージがよく削られます。
「アンタがしょーもない冗談を言わなければ殴らなくて済むのにね」
「いや本当に。わはは!」
「笑いごとじゃないのよ……」
「それはさておき、今から結んでくれるんですか」
「ええ、そうだけど」
「じーっ」
「な、なんか見られるとやりづらいんだけど」
「じーーーーっ」
「そう言われて余計に見るやつがいるか!」
チョップを食らった。かなめのからてチョップは威力100くらいある。
「痛いですかなめさん」
「アンタがしょーもない行動をしなければ攻撃しなくて済むのにね」
「いや本当に。……デジャヴだ!」
「はいはい、結び終わったからさっさとそこに座りなさい」
「え、そんなあっさりとイベントを進行していいのか?他に何かフラグとか……」
「いいからさっさと座る!」
「ひいっ!」
大人しく座るとすぐ横に気合を溜めているかなめの姿が。
「俺、今から死ぬのかな」
「ツインテールが凶器の事件なんて聞いたことないわ」
「それもそうだ」
「それじゃテキトーに振り回すわよー」
「その割には気合入ってませんか」
「気のせいよー。それじゃ……えいっ」
かなめは勢いよく頭を振り、ツインテールが俺のほっぺに直撃する。
「おお……これは」
「どうだった?」
「こうしてまた一つ、新たな性癖が生まれたって感じだ」
「生まなくてよろしい」
「除夜の鐘の数だけ性癖を数えよう」
「そんな人間いたら鐘に縛って突いてやりなさい」
「かなめは物騒だなあ」
「で、アンタはもう満足しちゃったの?」
「えっ」
何やらぶんぶんと髪を振り回しているかなめさんが目の前に。
「アンタを合法的に攻撃できるなら悪くないかもってね」
「これって一方的な暴力?」
「合意の上だから一方的じゃないわ」
「そんなあ」
かなめが満足いくまでぺちぺちされました。でもまあ、気持ちよかったので良しとしよう。