シナリオ概要
左を向けば部下に怒っている上司。
右を向けば取引先にイライラしている同僚。
後ろを向けば飛んできた虫にキレている後輩。
ああ、こんな毎日うんざりだ。
誰も怒らなければいいのに。そんな世界になればきっと……。
「その願い、叶えてあげようか?」
甘ったるい声に、あなたは思わず手を伸ばした。
ハンドアウト
あなたは都内某所の会社に勤める会社員である。会社内での立場は問わない。
キャラクター作成時に「怒りやすさ」を明記すること。
(イライラしやすい、滅多に怒ることはない、怒りを表には出さない、等)
また、共鳴感情のどれかに「怒り」を選択すること。
能力値:精神4以上
技能:〈心理〉を精神判定、技能レベル2以上で取得すること
PLとPCの価値観がそれなりに一致している方がいいかも
真相
メフィストフェレスの中でも変わり者として生まれてしまったジェスター。
彼は腐りきってしまった現代社会を幸福で満たすためにはどうすればいいか日々考え、怒りをなくせばいいのではという結論に至った。
そして人間社会に干渉するために自分と波長の合う存在を探し、見つけ出す。それがあなただった。
彼は本気で社会を変えようと思っている。
怪異:心を知ったメフィストフェレス<ジェスター>
光を愛さぬもの。悪臭を好むもの。欺き、破壊するもの。人の欲望を刺激し、その身に余る力を与えることでその者を狡猾に破滅へ導き、その様を眺めては愉悦に浸る、
最悪の愉快犯にして災厄の狂言回し。それが、悪魔メフィストフェレス……のはずだった。
このメフィストフェレスは人間の心を学ぶうちに人間にひどく共感してしまい、人間の幸福を追求するようになった。
とりわけ怒りの感情について興味を持ち、怒りをなくすことができれば人間はより幸福な存在になるのではと考え、人間の感情のメカニズムを読み取り怒りをなくす方法を編み出したらしい。
人間に仕える者を自称しジェスターと名乗っている。
共鳴表:感情の発露
NPC:宮田
会社の同僚。気だるい感じ。一人称:あーし
その日は朝から何かとついていなかった。朝起きてテレビやスマホからニュースを見ると政治家の不祥事だとか、芸能人の炎上だとかが流れていた。
ニュースに乗っかって批判的なコメントを書き込むユーザーも多く見える。この人達は誰に対して怒っているのか、何に対して怒っているのか、果たしてそれは分からない。
出勤する途中もすれ違いざまに大柄な男性にぶつかられて一方的に舌打ちをされ、電車の中では痴漢をされただのしていないだのの言い合いが聞こえてくる。
会社へ向かうまでの道のりは朝早い時間にも関わらず猛暑であり、汗が鬱陶しく感じるだろう。
やっとのことで会社に着くと、電話越しに怒りの言葉をぶつけられている同僚に、部下のミスを叱責している上司、どこからともなく飛んできた虫にキレている後輩の声が周りから聞こえてくる。
おかげで午前中はずっとピリピリした空気で仕事をする必要があり、あなたは普段よりも疲れが溜まるのが早かっただろう。
しかし、そんな一日もようやくお昼休みに入り、ひと息つけそうだ。
同僚がやってくる。
「ちょっと聞いてよー!」
「みんなピリピリしていて嫌よね~」
{愚痴RP}
午後からも困難は続く。突発的なトラブル、過去の同僚が起こしたミスがこのタイミングで見つかり発生するクレーム、急いでいる時に限って調子が悪くなるプリンターなど。
業務が一通り終わるころにはすっかり日も沈んでいた。それでもまだまだ蒸し暑いが。
<自我>
シークレットダイス 憑依判定
共鳴レベルを一点上昇。
気がつくとベッドの上だ。昨日の記憶があいまいだが、無事に家へ帰ることはできたようだ。
「お目覚めかい、相棒」
脳内に声が聞こえる。
「おや、昨晩の記憶がないのかい?」
声が語り出す。
―――――
あなたは半ば自暴自棄となっているところに路地裏で声をかけたそうだ。
そして「ボクと契約して魔法使いになってよ!」と契約を行ったらしい。
普段ならばそんなことはしないだろうが、衝動的になっていたのだろう。
―――――
「キミのような波長の合う存在は非常に珍しいからね。危害を加えるつもりは全くないよ」
「例えば……そうだね!こんな感じに!」
心理判定でイライラをなくすことができる。
会社へ向かい、心理判定を振って怒りをなくしていく。
数日が経ち、怒りがなくなり、みんな晴れ晴れとした明るい雰囲気になってきたようだ。
「これがワタクシの見たかった光景だ!」
有給休暇
宮田に怪しまれる
「何かしている?」
ジェスターからも提言
「信頼できる人になら話していただいて構いません」
「もう二度と怒りを感じたくないの」
「ごめんね、できる訳ないよね、そんなこと!」
その晩、ジェスターが提言する。
共鳴判定(強度10/上昇1)/ ∞共鳴感情:[怒り(情念)]
宮田の怒りを消す。
「ありがとう!これで幸せな人生間違いなしよ!」
怒りがなくなるということは、他人の怒りの感情を決して理解できなくなる、ということだ。
果たしてそれが幸せなことなのだろうか。
その晩、ジェスターが提案を持ちかける。
「世界から怒りが消えたなら、それはなんて素敵なことなのでしょう」
END1 世界から怒りが消えたなら
あなたは提案に乗り、ジェスターと一体化する決意を固めた。
END2 世界から怒りは消えない
世界は今日も続いていく。何も変わらないまま。
しかし、あなたの心の内だけは……何かが変わったかもしれない。