エモクロアTRPGシナリオ 希う

シナリオ概要

奇跡は諦めない奴の頭上にしか降りて来ない。

どこかの誰かが、そんなことを言っていた気がする。

では、諦めないとはどういうことか。

それはおそらくあらゆる手を尽くして目的を達成しようとすることを指すのだろう。

希う―――強く願い望むこと。切に望むこと。

あなたの望みは、願いは。

ハンドアウト

あなたは中学校に通う学生である。 家族構成は父、母、姉(大学一年生)がいる。

特に不自由ない生活を送っていたが、ある日階段から落ちて骨折してしまった。

そのため、一か月ほど入院生活を余儀なくされている。

推奨能力値:社会

推奨技能:事情通

また、精神の能力値が高めであると良いかもしれない。

ここからDL向けの説明なのでシナリオ通過後に読んでね。

【真相】

七不思議の噂は天使サリエルの行う「甦り{黄泉替わり}」であった。

「甦り{黄泉替わり}」では人間を黄泉の国から現世へ魂を戻すことができるが、その代償として願いをかけた者の存在が消えてしまう。

存在が消えた者は誰からも認識されることなく、そもそも「最初から世界にいなかった」という扱いになる。

しかし、その現象は人の記憶にのみ影響されるため物体だけは残っている状態となり、ここから七不思議の噂が広がった。

【怪異】

天使サリエル

死を司る天使。

霊魂の看守をしており、現世から黄泉の国へ向かう魂の管理をしている。

奇跡を希う者の元に現れて、魂の入れ替わりを行う「甦り{黄泉替わり}」を行う。

性格は無感情で、全ての人間の魂を平等に扱うため情に流されない。

【NPC情報】

NPC1:メイ

一人称:メイ PCへの呼び方:{PC名}お兄ちゃん(お姉ちゃん)

PL向け情報:持病で病院に長期入院している。

DL向け情報:本名は運尾 命(はこび めい)。

原因不明の病で数年前から入院中。11歳。シナリオ終盤に命を落とす。メイと陽が兄妹であることはメイの日記公開まで伏せておくこと。

NPC2:運尾 陽(はこび よう)

一人称:俺 二人称:{PC名}呼び捨て、お前

PL向け情報:あなたのクラスメイト。席が隣。ぶっきらぼうだが根はいいやつ。

DL向け情報:メイの病気を治すために奔走している。将来は医者になるため勉学に励んでおり、PCとの交流の時間がちょっとした気休めになっていた。メイになかなか会えていないのは「会うと自分の現状に心が休まらなくなってしまうから」らしい。自己犠牲に走りがち。

NPC3:PCの姉 (名前はDLが決めてください)

一人称:DLが決めてください 二人称:DLが決めてください

PL向け情報:大学一年生。PCを溺愛している。

DL向け情報:PCを溺愛することで、もしPCが自分の身を犠牲にしようとした際に悲しむ人物がいるという抑止力のつもり。

なお、筆者が姉をやりたかっただけであり兄にしてもらっても構わない。

NPC4:江島 紗里(えしま さり)

一人称:わたくし 二人称:あなた

PL向け情報:クラスの委員長であり人気者。サリーの愛称で親しまれている。

DL向け情報:正体は天使サリエル。地球の知識は日本のアニメで身に着けたらしい。サリーと呼ぶことを執拗に迫る。

――――――――――――――

シーン1 入院生活

導入

〇それは中学×年生の秋。気温が徐々に下がっていき、植物が紅葉し始める頃。

あなたは学校の階段から落ちてしまい、右足を骨折してしまった。幸いにして大怪我という程ではなく、一か月の入院で済むこととなった。

あなたは地域の中でも有名な総合病院に運ばれ、入院生活を始めることになった。

慣れない生活に苦労しつつも徐々に落ち着いてきた、ある日のこと。

今日もあなたの姉がお見舞いに来る。彼女は講義やバイトの時間の合間を縫って来てくれる。

{RP}姉との交流の時間。RPのウォーミングアップの時間としてもらう。

ここで特に決まった行動を起こす必要はないが、姉がPCを気遣うようなシーンは作ることを推奨する(お見舞いの品を持ってくる、家から何か必要なものがないか尋ねるなど)

〇その後、リハビリの時間が来る。少しでも早く再び歩けるようになるために、あなたは今日も真剣に取り組むことだろう。

看護師に案内されて病院内を歩いている最中、あなたはこのような少女を見かける(メイの画像を出す)

少女は何やら困った様子で辺りをキョロキョロと見まわしている。

{RP}メイとの出会いの場面。PCの社会が高めになっているはずなので困っている人を見過ごすことはない前提で動いているが、どうしても自分から話さない場合はメイから声をかけること。

「メイ、おまもりを落としちゃったの」

「おまもりはしかくい形をしていて『いの』って書いてあるの!」

本当はおまもりには「願いの宮 健康祈願」と書かれているが、メイは漢字を読むのがあまり得意ではない。

ひとしきりRPをした後、PCにはおまもりを探しに行ってもらう。

<幸運><観察眼>などで判定。好きな技能を振らせて成否問わずおまもりを見つけられるようにして良い(廊下に落ちているのを見つけた、看護師さんに尋ねたら拾っていることが判明した等)

「おまもり、見つけてくれてありがとう!」

「お兄ちゃん(お姉ちゃん)もここで入院しているの?」

{RP}おまもりがきっかけでメイと仲良くなり、メイのことを知ってもらう場面。

「メイとお話してほしいな!」

「パパもママもお兄ちゃんもぜんぜんお見舞いに来てくれないから……」

この時点ではメイの名字は明かしてはいけない。

〇そこから数日後、あなたはメイと遊ぶことが増えた。

{RP}メイと遊ぶ場面。病院内でかくれんぼ、PCの趣味に合わせた遊び等もいいだろう。

前半でメイとどれだけ仲良くなるかで終盤のRPに影響が出ると思うので、長めに尺を取っても良い。

ただ、この後にメイの病室で過ごす場面があるためメイの病室はここで避けておく方が良いだろう。

〇メイと過ごすことにより、退屈な入院生活に彩りが生まれたそんなある日のこと。

「お邪魔するぜ」

あなたのクラスメイトであり、隣の席に座っているハコビが来た。

{RP}ハコビの登場シーン。入院中のPCに対してクラスメイトが代わる代わるお見舞いも兼ねて学校のプリントを持ってきてくれていることを合わせて説明するといいだろう。

なお、ハコビがお見舞いに来るのはこの場面が初めてであり、そのことを本人に尋ねた場合は「近くに来たからついでに寄った」と返すこと。

ハコビは真面目なので、勉強のことや入院生活についてPCのことを気にかけるセリフを多めに出すといい。

ひとしきり話した後に「委員長……江島からお願いされていて」と説明し、合唱祭の練習風景を映した動画を送ること。

動画の内容は合唱祭の練習風景に加えてPCの帰りを待っているビデオレターのようなものが最後に入っている。

〇数日後。今日、あなたはメイの病室に案内されている。メイの病室には絵本がたくさん置かれている。

「メイ、退院したら色んなところに行って色んなことをしたいな!」

{RP}メイの将来の夢について話すシーン。退院したら色んなところに行きたい、色んなことをやりたいと話す。

メイが生き続けたいことを願っていることをPLに伝えること。合わせてPCの将来の話も聞けると良い。

〇数日後。あなたが病室で過ごしていると今日も姉がお見舞いに来た。

「調子はどう?」

「最近なんだか楽しそうじゃない?」

{RP}姉がお見舞いに来る。ここも特に決まったセリフなどはなく、姉との交流のみ。

なお姉は導入のシーンの後からも何度かお見舞いに来ている前提でも問題ない。

〇数日後。今日も病室で過ごしていると乱暴に扉を開けると共に「ごきげんよう!」と大きな声が病室に響いた。

{RP}サリーの初登場シーン。

サリーはありきたりな話をしつつも心配してくれる。また、お見舞いの品に豪勢なお茶菓子を用意したり「良かれと思って」大量の宿題のプリントを持ってきてくれるだろう。

サリーの細かい設定はあえて掘り下げていないのでDLなりのサリーをRPしてほしい。

〇順調に回復し、一週間後に退院できると医師から言われるだろう。

{RP}メイに退院のことを言うならばその場面を行う。行わない場合はそのままシーンを進める。

〇退院が目前に迫ったある日。外では雨が降っており、何だかどんよりとした気分にさせられる。病室で流れているテレビからはニュースが流れている。

「先ほど市内で発生した交通事故により少年Tさん(PCと同い年)の死亡が確認され―――」

そんな陰鬱なニュースを聞いていると扉が開く音がした。

姉がお見舞いに来る。しかし、今日の姉は様子が違う。

あなたの姿を見るなり涙を流して抱き着いてきた。

「よかった、いた……」

「もしかしたら……なんて思っちゃって」

{RP}姉の友人の弟が死ぬ場面。この時、姉は焦燥しており普段とは全く違う様子である。普段は内に抱えているPCに対しての溺愛の感情を包み隠さず表に出すこと。

しばらく経つと姉も落ち着くが、PCに対して「いなくならないでね」「ずっと一緒にいてね」等の発言をすることでラストシーンに対してのPCの行動の判断基準の一つとなるだろう。

〇明日がようやく退院の日となる。つまりメイと毎日会えるのは今日が最後だ。

{RP}メイとのお別れの場面。メイと必ずまた会うことを約束することでシーン2以降にもメイとのつながりを保つこと。

「またお見舞いに来てくれる?」

メイと別れ、明日から学校生活が再開されることをPLに告げシーン1終了とする。

――――――――――――――

シーン2 七不思議調査

〇無事に退院したあなたは今日から再び学校へと出席することとなる。久しぶりの学校は嬉しいだろうか、それとも面倒だろうか。

{RP}今度は普段のPCの日常シーンとなる。朝起きてから学校へ向かうまでの間に姉とのシーン、学校に着いてからサリーとのシーン、ハコビとのシーンを描くことでこの後の交流パートをやりやすくなるため、ここで改めてNPCとのRPする時間を設けている。

〇久しぶりの授業はあっという間に過ぎていき、給食の時間となる。校内放送でこんなことを言っている。

「えー、最近私どもの学校……いや、もはや地域中を騒がせている七不思議ですが、噂の数がこちらの放送部にも続々と届いておりその数は何十件もあります。もはや七不思議ではなく何と言えばいいのか分かりません。みなさんもどの噂が本当でどの噂が嘘なのかよーく見極めてください。それでは今日の一曲目参ります」

{RP}七不思議の噂を聞いたPCがどのようなリアクションを取るか分からないが、事情通を推奨技能としているため興味を持ってくれることを前提に進める。もしPCが興味を持たない、噂を調べない場合はPCが巻き込まれるような形で多少強引にでもいいので七不思議を8個まで集めること。

このタイミングでハコビに七不思議について聞いた場合、噂1を情報として出して良い。また、ハコビと一緒に行動したいという場合は同行させて問題ない。

〇ここからは七不思議を8個集めるまで調査パートと交流パートを繰り返す。

☆調査パート

{事情通}で判定を行い、成功数の数だけ七不思議を出す。七不思議1~5を教えてくれる人は同じ学校の生徒が一番スムーズに進行できると思うが、DLがうまく展開できる自信があるのならば他のNPCを好きに出して問題ない。

また、順番についても1から順番に出す必要はないが1,2,3は同系統の謎であるため連続で出すとPLに「さっきと似たようなものだ」と思われる可能性が高い。そのため1,2,3と4,5,6を交互に織り交ぜると推測されにくいだろう(それでも勘のいい人にはすぐ気づかれるのだが)

情報に「七不思議1:〇〇」と今知っているものを名前だけ開示しておくとPLも助かるだろう。

失敗した場合は以下の描写を行う。

オカルト的なものに触れているうちに、ふわふわとした気持ちになる。

まるで自分がこの世界から浮いた存在になっているような。{共鳴レベル+1}

☆交流パート

メイ、サリー、姉、ハコビの誰か1人を選択して会話をすることができる。

七不思議を集めてからハコビと会話することで発生するイベントがあることを事前にPLに伝え、ハコビを最後に回すように誘導することを推奨。

〇メイを選んだ場合

「久しぶり!」

{RP}メイは変わらず入院したままである。PCが学校で過ごしたことや七不思議について話すのがいいだろう。シーン2でのメイの出番はここだけである。シーン3での選択の判断材料を増やすためにもRPする時間を長めに取ろう。

シーン3への導入をスムーズに行うため、シーン切り替え前に「あなたはもうすぐテスト週間があり、テスト勉強に集中しなければ親に怒られてしまうだろう。そのため次に会えるのはテスト期間が終わってからである」ことを伝える。

〇サリーを選んだ場合

「ごきげんよう!わたくしに何か用がありまして?」

「わたくしも七不思議を集めておりますのよ!」

委員長として学校で流行っているものは把握しておく必要がある、ということで七不思議7を開示する。

シーン1に続きサリーのRPはDLにゆだねる。

〇姉を選んだ場合

「学校は楽しくやれている?」

「七不思議……私はよく分からないけど、友達がそういえばこんなことを言っていたよ」

姉はあくまで「友達から聞いた」というスタンスでいるため詳細は分からないが、七不思議8を開示する。

〇ハコビを選んだ場合

「七不思議?悪いが、俺はそんなに詳しくないな。そっちはどうなんだ?」

「天使様、ねえ……。そんなものが本当にいれば、俺は……いや、何でもない」

ハコビからは特に得られる情報はないが、ハコビはメイの身に何かあった場合の為にオカルト的なものを調べているためそれとなくPCに七不思議のことを聞くようなRPをしよう。七不思議8を獲得しておりPCがハコビに話した場合、何か引っかかる物言いをすること。

〇七不思議の詳細

七不思議1.増える椅子と机

PL向け情報:よその学校の生徒から聞いたんだけど、39人しか生徒がいないはずの教室に机と椅子が40個あったんだって。

DL向け情報:甦り{黄泉替わり}を行った生徒の机と椅子である。

七不思議2.呪いのアーティファクト

PL向け情報:美術室にある日突然、見たこともないアートができあがっていたのじゃ……。この独創的なフォルム、深夜の学校に潜み込み一晩で完成させる豪胆さ、それでいて名乗らないつつましさを併せ持つ強者であり……(以下、小難しいことをうんぬんかんぬん)。

DL向け情報:1と同じく甦り{黄泉替わり}を行った生徒が作ったものだが、あえてホラーっぽさを強調すると同時にあたかも誰かが作ったと思い込んでいる発言をすることでカモフラージュさせること。

七不思議3.謎のユニフォーム

PL向け情報:更衣室にユニフォームがあったんだ。でも俺達は誰もそのユニフォームを着たことはない。卒業生の忘れ物かと思って連絡したが誰も当てはまらなかった。こいつぁいわくつきのものだぜ……。

DL向け情報:1,2と同じく甦り{黄泉替わり}を行った生徒が持っていたものである。ワンパターンで申し訳ございません。

七不思議4.神社に浮かぶ人?

PL向け情報:僕が夜に1人で家に帰っている途中、願いの宮という神社の前を通りがかった時に見てしまったんだよ。空に浮かび上がる人影をね……あれは間違いなく人の形をしていた……はずだ!

DL向け情報:甦り{黄泉替わり}の儀式が行われている最中にサリエルを見たNPCの発言であり一番真相に近い七不思議なのだが、詳しくは見ていないため追究してもぼんやりとした情報しか出ず、PLに開示する際にも「?」マークをつける等してどこか頼りなく信憑性の薄い情報として出すこと。

七不思議5.誰もいない音楽室から鳴り響いたピアノ

PL向け情報:夏休みに遅くまで音楽室で部活の練習をしていたのだけど、鍵を忘れちゃってこっそり夜の学校に忍び込んだのよ。そしたら誰もいないはずの音楽室からピアノが鳴り響いていて……この音楽室には幽霊がいるんだわ~~~~!!!!

DL向け情報:合唱祭の伴奏の練習をしていた生徒が先生の許可を取り居残りしてピアノの練習をしていただけであり今回の怪異とは無関係である。

七不思議6.開かずの子供部屋

PL向け情報:僕、田中太郎って言うんだけど……この間、家の掃除をしていたんだ。そしたら家に知らない部屋があって……。中を見ていたら子供部屋のようだったんだけど、僕は一人っ子なんだ。気になって両親に聞いていても「知らない」としか言わなくって……この家、何か……変……!

DL向け情報:当時流行っていた「変な家」のパロディと見せかけて、シーン1で事故死した少年T(田中太郎)の姉(PCの姉の友人)が甦り{黄泉替わり}をしたことにより子供部屋だけが残ったのが真相である。こちらも真相を追究しても変な家の情報しか出てこない。

七不思議7.空へ飛んでいくキラメキですわ!

PL向け情報:あれは一週間前の23時16分頃、わたくしが眠ろうとしたところ……ふと空を見ると地上から何やら空へと飛んでいくものがありましたの。あれは……そう、キラメキですわ!

DL向け情報:サリエルが甦り{黄泉替わり}としたことにより魂が空へ飛んでいく様子であるが、サリー自身のうざったいRPと「キラメキ」という怪しさ満点のワードの影響でPCの耳にはまともに入ってこないだろう。

七不思議8.天使

PL向け情報:私の友達にオカルト研究会の子がいるんだけど、その子が前に天使に会ったらしいよ~。なんでもパワースポット?ってところで「天使様に会いたい!」って強くお祈りしたんだって~。

DL向け情報:パワースポットである「願いの宮」で強く念じることによりサリエルが降臨する。ただしこれも又聞きであるため姉も詳しくは把握していない。

もし交流パートが4周する前に調査パートが完了してしまった場合は以後、調査パートをスキップして交流パートを行うこと。

――――――――――――――

シーン3 クライマックス

〇ようやくテストが終わる。テスト勉強に追われてなかなかやれていなかったことも久しぶりにできる解放感に満ちることだろう。

{RP}いきなりクライマックスへ向かうため、少しの箸休めタイム。この時、メイのお見舞いへ向かうことをさりげなく誘導すること。

〇あなたはメイのお見舞いに行く。

すっかりお馴染みとなった病室。

そこに今日も彼女はいた。

声をかけても反応はない。近づいてみると、彼女は静止していた。

そう、呼吸すらしていないのだった。

目は焦点を合わせておらず、苦悶を浮かべた表情はこの世に未練を残しているのか、それとも全てを諦めているのか。

いずれにせよ一つだけ分かることがある。

彼女の命は、もう―――。

{RP}一言、二言のみRPを許可するが、すぐに次の描写を入れること。

〇あなたがあっけに取られていると後ろから誰かが声をかける。それはハコビだった。

「PC、どうしてお前がここに……」

「そうだ。メイの余命はもういつ尽きてもおかしくなかったんだ」

「PC、お前に一つだけお願いがある」

「まだ定例の巡回まで時間はある。俺は行くところがある。お前はこの状況を何も見ていない。このことは絶対に誰にも言うな」

{RP}ハコビと出会うシーンとなりPCによっては強く当たってしまうかもしれないが、ハコビが病室から出て、PCだけメイの病室にいる状態にした後、机にノートが置かれていることを描写する。

――ここから情報公開――

{運尾 命(はこび めい)の日記}

今日からしばらくにゅういん、っていうのをしないといけないんだって。

外に出られないのはたいくつだなあ。

パパとママはお仕事でぜんぜん来てくれない。陽お兄ちゃんはたまに来てくれるけど、中学生になってからぜんぜん来なくなった。

毎日がつまんない。

本をよんでいる時がわたしの幸せ。

今日はどこにぼうけんしようかな。

今日は新しい人となかよくなれた!{PCお兄(姉)ちゃん}。

これからたくさんおはなしできるといいな。

{PCお兄(姉)ちゃん}と、いっぱいお話した!今日も楽しかった!

{PCお兄(姉)ちゃん}がたいいんしちゃった。

うれしいことのはずなのに、さびしい。

陽お兄ちゃんが久しぶりに来た。でも、すごく悲しい顔をしていた。どうしてだろう。

{PCお兄(姉)ちゃん}が久しぶりに来てくれた!うれしい!

かんごしさんが言っているのが聞こえちゃった。

わたしはもう、長くないんだって。だから陽お兄ちゃんは悲しかったんだ。

ざんねんだけど、全部あきらめないと。

パパ、ママ、陽お兄ちゃん、{PCお兄(姉)ちゃん}、もう一回お話したかったな。

―――(以下、最後のページまで空白)―――

本当はあきらめたくなんかない。

もっといろんな場所に行って、いろんなことがしたかった。

生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。

――ここまで情報公開――

〇最後のページだけ黒く塗りつぶされかけている。

まるで死を悟った瞬間、全てを諦めたかのように自分の気持ちを塗り潰すかのような。

ノートを読み終えると、窓からハコビが見えた。病院の外へ出てどこかに向かおうとしているようだった。今なら追いかければ間に合うかもしれない……。

{RP}一気に情報を出したためPCとPLが混乱するかもしれないが、ハコビの姿が見えたところまで描写していることで次の場面へある程度誘導できるようにしている。

どうしても陽を追いかけない場合はEDへ直行して良い。

〇あなたがハコビを追いかけると神社へとたどり着く。そこには「願いの宮」と書いてあった。中に入り様子を見てみると、そこには2つの人影があった。

1つはハコビ、そして空中に浮かぶもう1つは紛れもなく天使の姿をしていた。

まだ昼だというのに空には満月が浮かびあがり異様な光景となっている。

共鳴判定(強度8/上昇1)/ ∞共鳴感情:[崇拝(理想)]

ハコビ

「願いの宮神社についての古い文献にあったんだよ、人が死んだその日中に強く願えば”天使”が現れるってな」

サリエル

「はい、わたくしは天使サリエルです」

「全ての生きとし生ける者は生まれた段階で寿命が決まっています。あなたの寿命も決まってますよ。教えてあげましょうか?」

「なぜ?と言われましても。あなたはお腹が空いたらご飯を食べるし眠くなったら寝ますよね。それと同じことです。死ぬ時期が来たから死ぬ、それだけ」

ハコビ

「PC、オレを止めるんじゃない」

「メイにこれからも生きてほしい。それが俺の願いだ」

サリエル

「あなたはこの者と違って対象者とは赤の他人です。なぜ赤の他人にそこまでするのですか?」

「そこまで言うのであれば神の力の一端をお渡ししましょう。それで奇跡を起こせるかどうか、見ものですね」

{RP}クライマックスシーン。

PCがハコビを止めない場合、ハコビが儀式を行いメイが復活しハコビの存在は消滅する。

PCがハコビを止めようとしたり、自分が代わりになる等の発言をした場合はサリエルからPCに神の力の一端が渡される。

共鳴レベル1+1d3を代償とすることで蘇生をダイス10個、判定値は現在の精神値で振ることができ、判定がカタストロフであった場合、メイは生き返る。

〇蘇生がうまくいかずPCが逸脱しようとするにも関わらずPCが諦めない場合

「仕方がありませんね。わたくしも力を貸しましょう。今回だけですよ」

サリエルが力を貸すことにより一度だけ代償なしで蘇生をダイス30個、判定値6で振ることができる。ただしそれでもカタストロフが起きない場合(成功率97.2%であり必ずではない)PCは逸脱する。

後述する蘇生のダイス30個で振る場合の代償についてはこの時点ではPLに伝えないこと(物語が大きく分岐します、くらいは言っていいかも)。

ED

特に決まったものはない。DLとPLの双方が納得する結末で締めくくろう。

メイの復活後のシーンを描写したり、後日の日常シーンを描写したり。せっかくシナリオで関わったNPCが複数人いるため、EDで登場させても良い。

あとがき

・PCを中学生にした理由
当初は中学生か高校生想定だったのですが「思春期だと中学生くらいのが『理性で分かっているけど感情が抑えられない』感が出るかな」と思って中学生にしました。今のところそれが上手い感じに作用しているかなと思っております。
・伏線とか
前半の入院生活で伏線をかなり仕込みました。PLに「このシナリオどうなるんだ?」と思わせたいなあという思考のもと色々と試行錯誤をしておりました。
・参考にしたコンテンツ

「天使は奇跡を希う」という私の好きな小説がありそれがベースとなっております。

あと直近に「Angel Beats!」を見たり「ヘブンバーンズレッド」を遊んだりしているのでそれらに影響を受けておりますね。

回したら僕に報告くれると嬉しいです。