エモクロアTRPGシナリオ 泣き虫おばけと雨上がりの少女

◆あらすじ

「あの山のバス停には、雨の日におばけが出る」

そんな噂が流れ始めて、もう10年が経ちます。

最初は怖がられていましたが、目撃されるおばけはどこか寂しそうで悪さはせず、今では山に入るバスは1日に2本だけ。

夏の夕暮れ、土砂降りの雨の中。あなたはそんな不思議な噂のあるバス停へ向かっていました。

◆シナリオ情報

プレイ時間:1時間程度

推奨技能: <直感> <観察眼> なくても遊べます

◆ハンドアウト

あなたは「おばけ」が好きだ。

「隣町のバス停に、雨の日だけおばけが出るらしい」

そんな噂を聞きつけ、あなたは好奇心を胸に山へやってきました。

怪異:おばけ

生前に未練のある者は死後、成仏できずにおばけとなってしまう。

未練が大きければ大きいほど強いおばけとなる。

雫は想いを伝えられなかったことを悔やんでおり、山に住み着いている地縛霊になった。

その他、この地域で無念の死を遂げた幼子達が山に集まっている。

登場人物

雨宮 雫(あまみや しずく)

私、あなた

外見: 儚げで綺麗な女子高生。透き通るような白い肌。

幽霊っぽさは出さず、あくまで少し不思議な雰囲気の少女として描写。

10年前に亡くなった地縛霊であり、この山のおばけたちのお姉さん。

芯が強く、優しい。自分のことより、弱いおばけたちを守ることを優先している。

高槻のことが気がかりでずっと成仏できずにいた。

泣き虫おばけたち

 「かわいい」見た目に固定。

外見案:

白いシーツを被ったような、テルテル坊主っぽい姿

オレ、オマエ

まっくろくろすけ風味

おいら、PC名

プルプル震えている小さな人魂

ぼく、おにいちゃん、おねえちゃん

役割: 雫のスカートの影や、ベンチの下に隠れている。

PCが定期入れを見つけそうになると、わらわら出てきて邪魔をする。

セリフ: 全部ひらがなで喋るイメージ。

「しずくちゃんを、つれてかないで~!」

「やだやだ~!」

高槻(たかつき)

役割: バスの運転手。雫の元同級生。

状況: 過去を断ち切り、結婚して街へ出る決意をしている。今日がラストラン。

2. シーン別の描写ポイント

【起】

バス停にいるのは一人だけです。

高槻「本当にこんなところへ降りるんですね」

「噂を聞いて来た……そうですか。実際に会ったという声はほとんど聞きませんが……」

「14時と18時。1日に2回なので、そこだけお気をつけください」

「今日がラストなので、悔いが残ってしまいますから」

あなたがバス停に降りて辺りを見渡していると

技能成功→少女を見つける

雫は「困った顔」ではなく、バス停の屋根の下で、雨を避けて集まってきた小さなおばけたち(PCにはまだ見えない)を「よしよし」と撫でているような仕草から入ると、後半の伏線になります。

技能失敗→驚かされる。

あなたはなぜおばけが好きなの?

→PCの深堀り

定期入れを一緒に探す

【承】

1. お地蔵様の並ぶ古い坂道

バス停の裏手に続く、少し苔むした石段のある坂道です。

描写:

赤い前掛けをしたお地蔵様が5体ほど並んでいます。激しい雨の中ですが、その前掛けの下に、小さな「泣き虫おばけ」たちが雨宿りをしてギュウギュウに詰まっています。

調査<直感> <観察眼>:

お地蔵様の一体が、何かを抱えるようなポーズをしています。よく見ると、その手元に「誰かがお供えした、古びたヘアピン(あるいは飴玉)」があります。

おばけの反応:

PCが近づくと、前掛けから「ぷるぷる」と震えながらおばけたちが顔を出します。「とっちゃだめー!」「それはしずくちゃんの大事なやつー!」と、必死に(でも可愛く)威嚇してきます。

2. 倒壊した古い見晴らし小屋

かつては景色が良かったであろう、今は立ち入り禁止の看板が立てられた小さな木造の小屋です。

描写:

10年前の土砂崩れの影響で、半分が崖側に崩れかけています。雨漏りがひどく、床には泥が入り込んでいます。

調査<直感> <観察眼>:

壁に、当時のまま残された「山歩きマップ」や「地域のニュース」が貼られています。

成功すると、10年前の今日、この付近で大きな土砂崩れがあったという記事や、当時行方不明になった「地元の女子高生」についての小さな記述を見つけます。

おばけの反応:

小屋の隅で、雨漏りの音に合わせて「えんえん」と泣いているおばけがいます。PCが優しく声をかけると、「あの日から、山が悲しい顔をしてるんだよ」と、山の異変を教えてくれるかもしれません。

3. 錆びついた無人販売所

野菜などを売っていたと思われる、トタン屋根の小さな棚です。

描写:

今は何も売られていませんが、風雨を凌ぐにはちょうどいい場所です。棚の上には、なぜか泥のついていない「綺麗なアジサイ」が一輪だけ供えられています。

調査<直感> <観察眼>

おばけの反応:

アジサイの影から「じーっ」とこちらを伺うおばけがいます。PCが花に触れようとすると、「それはしずくちゃんが、毎日綺麗にしてるお花だよ!」と教えてくれます。

【転】

おばけたちの妨害

定期入れ(紫陽花の植え込み)に近づくと、かわいい妨害が入ります。

足元で「こらー!」とポカポカ叩いてくる(痛くない、くすぐったい)。

泥団子を「えいっ!」と投げてくる(当たってもペチッという音だけ)。

技能成功時:

彼らの泣き言が聞こえます。

「しずくちゃんがいなくなったら、おいらたちはどうすればいいんだ?」

「あいつのところに行っちゃうのやだぁ」

【結】

運転手に会わせる

定期入れが見つかると、おばけたちは「わーん!」と泣き崩れて雫にしがみつきます。

雫は困ったように笑いながら、彼らを撫でます。

「ごめんね。でも、これは私が忘れちゃいけないものだから」

バスのライトが見え、高槻(運転手)がやってきます。

PCは定期入れを持っています。

雫は「ありがとう」と涙を流し、光となって消える。

残された「泣き虫おばけ」たちは、しょんぼりと泣いているが、その姿は少しずつ薄れていく。

バスの中で高槻は写真を見て涙する。

読後感: 切なくも美しい、王道のラブストーリー。

運転手に会わせない

定期入れを隠し「見つからなかった」と言う。

雫は「そっか……」と寂しそうに笑うが、足元の「泣き虫おばけ」たちが大喜びで飛び跳ねるのを見て、ふっと優しい「姉の顔」に戻る。

「じゃあ、もう少しここにいようかな。この子たちは私がいないとダメだから」

バスの発車時、窓の外では雫とおばけたちが並んで手を振っている。

読後感: ほっこりと温かい、「おばけ」たちとの秘密の友情物語。