さよならのあと エピローグ

朝。大学へ向かう時間だ。
聞いているのはサクラの曲だった。あまり頻繁に聞くと別れを思い出して悲しくなるけど、時々、思い出したかのように聞きたくなる。そんな不思議な気分だ。
サクラと別れてから数週間が経ったが、別に世界は変わることなく今日も進んでいる。テレビをつけるとフウカさんが今日も生放送に出演している。アキホさんやカザノハさんとは連絡を取ってはいないが、きっと今日を生きていることだろう。

家を出て、サクラと過ごした日々を思い返す。
サクラとの別れは確かに悲しいものだった。しかし、最初から出会わない方が良かったのかと聞かれると、決してそんなことはないと言える。 僕はサクラというアイドルに出会えたからこそ今の人生があると思っているし、彼女に出会うことがなければ僕の人生はもっと平坦なものになっていただろう。

別れは悲しい気持ちを生み出すけど、それ以上にもっと大事な気持ちをくれたりするものなのだ。
そんな風に言い聞かせながら、今日も僕はサクラのいない世界を生きていく。サクラのことを決して忘れないと心に誓って。